「湯たんぽじゃなくてカイロじゃダメなの?」
とってもよく質問される事ですが、答えは「ダメではないけど効果が違う。」です。 人の体はとっても良く出来ていて、自然なものは受け入れるけど、不自然なものは受け入れないようになっています。 なので、自然な熱は受け入れられて体の中の深いところまで暖まるけど、不自然な熱は受け入れられないので体の表面だけしか暖まらない、と言う風になります。 そして、自然で強い熱とは「火」の熱のことです。 火の熱は優しく体の中まで入っていって暖めてくれます。 なので、一番のお勧めは「火」を直接体に近づける「お灸」です。 お灸もやり方がいろいろとあるのですが、センネン灸のような台座灸より、もっと時間をかけてじっくり熱を伝える隔物灸や箱灸の方が熱は深く入っていきます。 火の熱を自然な水に入れてお湯にして、その熱を体に入れていく「湯たんぽ」は、火の熱を直接入れるほどではないけど、全て自然な優しい熱なので体の奥までしっかりと熱が入っていきます。 お手当ての方法の「コンニャク湿布」も、火の熱をコンニャクに入れた方法で、全て自然な物で熱を伝えているので体に優しい方法になります。 最近はレンジてチンする湯たんぽのような物もありますが、これも自然な物なのかどうかで熱の感じ方に違いが出てきますので、科学的に作られたジェル状の物より、小豆や玄米、サクランボの種などから作られた物の方により暖かさを感じると思います。 ただ、電子レンジは自然な火の熱ではなく電気の熱なので、湯たんぽやコンニャク湿布より熱の入り方は悪くなります。 僕のようなお湯を沸かしたり、コンニャクを茹でる事さえ面倒に感じる不精な人間は、何もしないくらいならレンジでチンする物を上手に使って、少しでも楽して、ちょっとでも暖めて体に優しくして頂ければと思います。 で、暖める方法としてよく使われている「ホッカイロ」ですが、これは他の方法に比べてあまり自然な熱ではないので、体の中までは暖まらない、体の表面にしか熱が入らない方法になります。
なので、暖める方法の上手な使い分け方をまとめると、 自然な熱は体の奥深くまで届くので、血の流れを良くして内臓器の働きを助けるために使って、不自然な熱は表面しか暖まらないので、体の働きを良くすると言うより、外から体に冷えが入らないように守るために使う、と言う風に考えてください。 寒い季節、外の寒さに体が負けないようにホッカイロを貼って体を守って、家に帰ってきたら湯たんぽやお灸で体の奥まで暖めて回復を助けてあげる、と言う感じに使い分けるのが良いんじゃないかと思います。 ちなみに、表面が一時的にしか暖まらない不自然な熱が体に沢山入ってくると、表面の熱が頭に昇って、のぼせたような感じになるので、エアコン、電気毛布、ホッカイロなどの使い方には気をつけて、上手に使って頂きたいなと思います。 体を奥から暖めて、回復を助けてあげるにはどこを暖めると良いのかは、また次の話… ただ、「困ったらお腹を暖める」。 これが基本です。