これからやってくる暑い夏が、うれしい人も、嫌だなって思う人もいると思いますが、みなさんはいかがでしょうか。
夏をどう過ごすか?と考えたときに、ほとんどの人が
「どうやって暑さに負けないようにするか」
を考えると思います。
マクロビオティックをやっている人だと、
「陽性の季節だから陰性の物を食べよう。」
と言うのが基本になると思います。
暑い夏だから、暑さに負けないようにする。
コレは確かに夏の過ごし方の基本なので、マクロビオティックのどの本を読んでも、体の熱の冷まし方や料理の事が書いてあります。
ただ、コレは「暑い」と感じる場所に住んでいる人の話で、札幌のように涼しい土地だと、この過ごし方では元気が足りくなってしまう人もいます。
暑い夏の基本の過ごし方はいろんな本にも書いてあるので、今回はちょっと「夏が物足りない人」のための過ごし方を書いてみたいと思います。
暑い夏のある地域から札幌に引っ越して来た方には役に立つ話しかな、と思います。
まずは、季節と体の関係の基本の復習から。
僕たちの体には、五臓と呼ばれる内臓器があると東洋医学では考えられています。
この五臓にはそれぞれ担当している季節があって、担当の季節が来ると季節の気候に合うように体を調整してくれています。
例えばこれからの夏だと、心臓が中心になって体の働きを調整してくれる、と言う考えです。 (五行説と言う考え方で、春は肝臓、夏は心臓、土用は脾臓、秋は肺、冬は腎臓です。)
どんな風に調整するのかと言うと、基本は植物と同じです。
植物は季節の影響を受けて、春に芽を出し、夏に大きく成長し、秋に実を付け、冬は地に潜む、と言うリズムの1年なので、コレを人に当てはめると、夏は行動を起こし、全力でやり切る、と言う考え方になります。
ただ、季節の内臓器がしっかりと動き出すためには、出番が来たことを体が感じる必要があります。
何が各五臓に出番を教えてくれているかと言うと、季節毎の気候です。
体が季節の気候を感じることで、季節の内臓器が反応して強く活動し始めるんです。
夏の場合、暑さを体が感じることで、心臓は「自分の季節が来たぁ!」と元気に活動を始めます。
そして、僕たちは「熱く」なって、「何か動きたい!」「満足するまでやり切りたい!!」と言う熱い欲求が出てきます。
なので、夏には暖かさ、ではなく、暑さが必要なんです。
これが季節と体の関係の基本です。
では、話を夏の過ごし方に戻しますが、北海道の場合、ちょっと難しい点があります。
北海道に長く住んでいる人だと、この暑さでも十分「暑い、夏だね。」って感じていると思いますが、道外から来た人だと物足りなく感じることはないでしょうか?
僕は10年前に東京から引っ越してきたのですが、札幌の夏はとにかく快適なんです。
暑くない。涼しい。
とにかく快適で夜もぐっすり眠れる素敵な夏です。東京のあの暑さと湿気と比べたら札幌の夏は天国です。
患者さんから「今日も暑いですねぇ…」と言われても、僕にとっては全然暑く感じないんです。
ところが札幌に来て1年目、札幌の快適な夏を満喫していた僕の体にある日、変化が起きました…
夏も半分を過ぎた頃、東京に住んでいた時には感じたことの無いような、なんだかモヤモヤしたものを感じるようになってきたんです。
そして、このモヤモヤを解消するために、なんだか無性に体を動かしたくて、外を走りたくなってきたんです。
しかも、ジョギングなんて優しい走りじゃなくて、全力疾走したい欲求です。
結局、このモヤモヤを晴らすために僕は、最初の3年くらいは夏の終わりころになると外でダッシュをするようになっていました…
ダッシュして、ハァハァ言いながら、汗ダラダラになって、ニヤっとしてました…
ココに夏の過ごし方のポイントがあります。
夏の暑さが物足りないと、僕みたいな欲求が出てくる人がいます。
夏になるとジンギスカンを食べたくなる人もいると思います。
夏を元気にじょうずに過ごすためにはまず、夏の「暑さ」をどう感じているか?で分けて考える必要があります。
暑さに【満足している】のか【物足りない】のか、ココがとっても大事なポイントです。
暑い!と感じている【満足している】人は、どう熱を冷ますかを考えて生活をすることがポイントです。
僕のように【物足りない】と感じる人には、冷ますだけではなく、夏の体になるような事を生活に足すことが大切なポイントになります。
僕がダッシュしたくなった理由と「涼しい」「物足りない」と感じている人の夏の過ごし方のポイントは、長くなったので次回に続きます。