びわの葉温灸とは
当院では、自然療法の1つの方法として「びわの葉温灸」を行っています。
びわの葉温灸の効果は、びわの葉の薬効 + 温熱効果 + 押圧によるツボへの刺激
この3つの相乗作用で、がんや慢性病に優れた効果があると言われています。
びわの葉温灸はツボを熱刺激を与えて経絡を調整すると言う東洋医学的な作用も加わるので効力が高く、とくに良性の病気や痛みをともなう病気、比較的軽い症状には非常に効果的です。
もちろん慢性の病気や難しい病気にも良く効きますが、この場合はびわの葉温灸だけでなく、今の体に合った食事療法など他の自然療法とも併用することをお勧めします。
当院では、北海道ではびわの木が育たず、
・びわの葉が手に入りにくい
・棒艾(ぼうもぐさ)を使う方法では煙が多く、呼吸器系の疾患を持つ方には困難
・家中に艾(もぐさ)の匂いがしみついてしまう
と言う理由からびわの葉のエキスとユーフォリアを使う方法でびわの葉温灸を行っています。
ユーフォリアとは遠赤外線の熱でびわの葉エキスを蒸気化して、皮膚から浸透させる遠赤外線式温圧器のことで、とても簡単ですのでご自宅でみなさんでびわ温灸をすることができます。
もちろん、びわ温灸などの自然療法で体の外側からお手当するだけではなく、マクロビオティックなどの食事で体の中から調えることが大事ですので、合わせて生活に取り入れて頂きたいと考えています。
びわの葉温灸の歴史
ビワは梅や桃、杏、桜などと同じ仲間のバラ科の常緑樹で、成長すると10mくらいの高木になります。
原産地は中国南部やインドで、これらの地方では昔からビワの木や葉にすばらしい薬効や癒し効果があることが知られていました。
今から3千年も昔のインドではビワの木のことを、最高に薬効のある木として「大薬王樹(だいやくおうじゅ)」と、ビワの葉のことを、病気を治して憂いを無くす扇(葉)として「無憂扇(むゆうせん)」と呼んでいました。
またお隣の中国でも明の時代に書かれた「本草綱目」という漢方の本に「ビワの葉は胃腸の毒素を流したり、呼吸器の炎症を鎮めたり、顔のおできを治したりする等の薬効がある」と書かれています。
日本にびわの木が入ってきたのは弥生時代のころと推測されており、やがて九州や四国に自生するようになりました。
その後、奈良時代になるとびわの葉療法の知識が本格的に伝えられ、仏教医学のひとつとして広められました。
当時は仏教のお坊さんたちが熱心に医療活動を行い、その時にびわの葉療法も活用されたようです。そのころ建てられたお寺にはびわの木が植えられ、お坊さんたちは仏教を布教するかたわら病気に苦しむ人々にびわの葉療法を行っていました。
ビワの葉の成分には、ブドウ糖、蔗糖、果糖、マルトース、澱粉、デキストリン、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アミグダリン、タンニン、サポニンなどがあります。
この中で最も注目されているのが、がん細胞を攻撃し破壊する効果があると言われているアミグダリン(ビタミンB17)です。
自然療法研究家の東城百合子先生によれば、アミグダリンには、
1 血液浄化作用
2 抗ガン作用
3 鎮痛作用
4 殺菌作用
があるとされています。
アミグダリンの効果
びわの葉と種に多く含まれているアミグダリンの効果の説明です。
1) アミグダリンが奏効するメカニズム
アミグダリンが体内に入ると、ガン細胞の中に多量に含まれているベータ・グルコシターゼという特殊酵素によって加水分解され、青酸とベンツアルデヒドとが遊離します。
ガン細胞はこの二つの物質の相乗毒性により破壊されてしまうのですが、正常細胞にはローダネーゼという保護酵素があって両物質を無害な物質に変えてしまうため影響を受けません。顕微鏡で見ると、ガン細胞がまるで殺虫剤をかけられたハエのように死んでいくそうです。
また、アミグダリンが分解されてできる安息香酸は、「抗リウマチ」「殺菌」「鎮痛」に効果を発揮するそうです。中でも鎮痛作用は絶大で、末期ガンの痛みをやわらげたり、神経痛や捻挫の痛みなどにも効果を上げています。
2) 大阪大学での研究
約60年前(昭和12年頃)、大阪大学の安田寛之博士が動物実験でビワの葉エキスの血液浄化作用を実証しました。
安田博士は体重600gの家ウサギを使い、ビワの生葉75gを金属製の円筒の中に入れて加熱し、そこからビワの葉の成分を含んだ蒸気を導き出し、体毛を短く刈った家ウサギの腹部に約9cmのところから吹き付けました。
これにより、家ウサギの濁った血液がわずか5分間で弱アルカリ性に浄化されたというのです。
さらに30日間施術したところ、骨組織もしっかりし、体内臓器も健康になり、体重も増加したそうです。
また、大阪大学医学部の小沢凱夫(おざわよしお)教授の下で、陰茎ガンの患者をビワの葉療法のみで治療した実例があります。背筋、腹部、局所を1日3回1時間ずつ治療したところ、49週間でガン細胞は全滅し、健康な組織が蘇ってきたというのです。
「ビワと健康」より