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更年期の話②~西洋と東洋の生理の基本


まずは生理のことから。 コレを知らないと更年期のことも分からないので、生理について、女性の体の基本的なことを東洋医学的に説明しますね。

そもそも生理って何なのかというと、妊娠するために体がしてくれる準備活動です。

女性の持つ卵子と、男性の持つ精子がくっつくことで命(受精卵)が生まれ、その命を育て、生むことが妊娠と出産ですが、妊娠するための体の活動の1つに生理があります。

女性の体の中の「子宮」で、その大事な命は育てられていきます。 とっても大事で繊細な命を育てるために、毎月毎月、精子と受精できる排卵のタイミングに合わせて、子宮の内側にある膜(子宮内膜)を栄養豊富な血液に満ちた最高の環境を用意して待ってくれているんです。 そして、その作り上げられた最高の環境は、受精しなかったらそのまま次の排卵まで保存しておくのではなく、毎月新しく作り直してくれています。 その時の、いらなくなった子宮内膜や血液を体の外に出してくれているのが生理の出血です。

女性の体は、毎月妊娠できるように準備をしてくれています。 命が育つように環境を調えて準備して、排卵して受精しなければ一度体の中をキレイにして、また準備をする。 これがまず生理(月経)の基本で、だいたい15歳くらいから自然と始まって、35年くらい続いて自然と終ります。

生理の時に辛い症状がある場合、この妊娠するための体の働きが正しく出来ていないということなので、妊娠を希望されている方は、まずは生理を調えることが大事になります。

なんでこういった体の働きが起きるのかというと、聞いたこともあるかと思いますが、西洋医学の場合はエストロジェンやプロゲステロン、卵胞ホルモンと言った「ホルモン」の働きで説明しています。 この辺はちょっとややこしいのですが、ざっくりいうと、ホルモンは子宮や卵巣が必要なタイミングで働くための「脳からの指令」と言った感じで、排卵するように指示を出すホルモンや、生理を始めるように指示を出すホルモンなどがあって、女性の体はいろいろなホルモンの指示に従って周期的に動いてくれています。 なので、生理の周期の乱れや、生理痛などの生理にかかわる症状は、このホルモンがちゃんと体に届かなくて、子宮や卵巣がうまく働けなくなっているから、と考えます。

これが西洋医学で考えられている生理の話です。 これらのことは本もたくさん出ていますし、ネットで調べても情報はたくさんあるので、興味のある方はちょっと調べてみてください。

今度は東洋医学では生理をどう考えるのか?です。

まず、東洋医学では、人が生きるため、活動するためのエネルギーという物があって、それを大きくまとめて「氣」と呼んでいます。 その氣にもいろいろな種類があるのですが、その中の1つに生理、生殖に関係する天癸(てんき)という「氣」があります。 女性の体では、15歳くらいで体の中に「天癸」が満ちて生理が始まって、約35年分ある「天癸」が無くなった時に生理も終わる、と考えます。 西洋医学の「ホルモン」を「天癸」に代えてイメージして頂けると良いかなと思います。

当時の人には当然今のような検査機器は無いので、体の働きを見て、きっとこういう「氣」があるんだろう、と推測したんだと思います。 そして、生理の時には出血もあるように、体の中に血が満ちることで妊娠の準備が出来ると考えられているので、女性の体にとって「天癸」と一緒に「血」もとても大事な働きをしてくれている、と考えられています。

なので、東洋医学では、生理は「天癸」を含めた「氣」と「血」の状態が悪くなると周期の乱れや痛みが出てくると考えていて、生理がどんな状態かをよく見ることで、体の中の「氣」と「血」の状態も知ることができます。 女性にとって、「氣」と「血」が良い状態でいることがとっても大事なことなんです。

*例えば、生理の時に胸が張る、というのは、体の中の氣のめぐりが悪くなっている、と考えるし、経血の中に血の塊があれば、汚れた血が体にたまっていた、と考えます。

生理の時にいろんな症状があると、ついついネガティブな事として見てしまうかもしれませんが、よく意識して生理を見てみると、次の生理に向けてどんな生活をしたら良いのかが分かって、自分で生理を調えることができるので、ぜひ生理をポジティブな事として上手に活かして頂きたいなと思います。

③更年期の見方 に続きます。

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