女性に毎月ある生理。
毎月あるせいなのか、あまり意識されていない方が多いみたいなので、ちょっと生理と体調について先日いらした患者さんを例にして書いてみました。
主訴:元気が出ないのと昨日からのお腹の痛み。
原因を見付けることが大切なので、まずは患者さんに原因の心当たりを聞いてみると、
「パンかなぁ。」
と教えてくれました。
先週はちょっと忙しくて、パンを食べる回数が多かったみたいです。
いつから元気が無かったか聞くと、先週からと言う事だったので、今回の体調不良、元気の無さは先週の忙しさとパンが最初のきっかけになっていたみたいです。
ちなみにこの患者さん。もう何年も通われていて、今は体調を崩した時やメンテナンスとしてたまに来院されています。
なので、僕から取り調べのような問診と、授業のような食事と体の説明を何度も経験しているので、自分の体に食べ物がどんな影響を与えるのかはだいたい分かっています。
今回も「先週のパンかなぁ…」とは思っていたみたいです。
ただ、お腹が痛いのは昨日からなんです。
お腹の原因はまだ別にあるので、取り調べは続きます。
「お腹が痛くなる前の日、一昨日は何をしてましたか?何かいつもと違う物食べましたか?」
「一昨日は…日中子供の用事があって、ずっと外に居ました。そう!その日、なんか体が冷えるなって思ってたんです。」
だんだん腹痛の原因に近付いてきました。
もう少しです。
最後の疑問は、体を冷やしてしまうような物を食べていないのに、なんで冷えを感じたのか?です。
理由も無く体が冷えることはないので、たぶんコレだなと思って聞いてみました。
「生理はいつ来ました?」
「今4日目です。」
僕が1人すっきりした表情で頷いているのを見て、
「えっ、生理って冷えるんですか?血が出ると冷えるんですか?」
と言われたので、ココから治療をしながらじっくり(授業のような)解説が始まりました…
女性の体調の変化の原因を探す時に、とっても大切なのが生理です。
生理によって、体は大きく変化します。
今回の患者さんは、まず、生理前に忙しかったのと、パンが多かったことから体調の変化がスタートしています。
忙しくて「氣」を消耗していたこと、食生活が乱れて「氣」をしっかりと作れていなかったことで、体から「氣」が足りなくなって、元気が出ないと感じていました。
これが先週の話です。
で、気が足りないまま週末から生理が始まりました。
生理は、妊娠するために毎月要らなくなった血を外に出して体の中をキレイにする、と言うとっても大切な体の働きです。
生理にはいろいろなポイントがあるのですが、今回のポイントは「氣」と「血」の関係性です。
東洋医学では、血は自分の力では流れることも、動くことが出来ない、と考えられています。
じゃあ、どうやって体の中を流れているのかと言うと、氣に動かしてもらっているんです。
氣と言う乗り物に血が乗って移動している、と言うとイメージしやすいかなと思います。
なので、血が外に漏れ出る時には、必ず一緒に氣も外に出て行きます。
生理で血を沢山外に出すと、それだけ氣も外に出して、体の中から減ってしまうと言う事です。
今回の患者さん、元々氣が足りなかったところに、生理でもっと氣が足りなくなってしまったんです。
そのせいで、氣がやってくれている「体を暖める」という仕事がうまく出来なくなって、お腹が冷えて、痛くなってしまいました。
血が沢山出て、一番体から足りなくなる3日目にずっと外に居て氣を消耗したので、体が冷えて、パンで弱っていたお腹は固まって、動けなくなって痛みが出てきたんです。
これが今回の症状の原因です。
なので、自分でも元気になれます。
そのためのポイントは、
・何日かは動き過ぎないようにして、氣の消耗を抑える。
・生活、特に食事を調えて氣を増やす。
・冷えて固まったお腹を暖める。
です。
こんな授業をしながら、お灸と鍼で体を緩めて、氣を増やしてあげてこの日の治療はお終いです。
問題無くすぐに元気になると思います。
そして、同じような事にならないように、きっと生理前や生理中の生活を気を付けてくれると思います。
生理はいろんなことを教えてくれます。
1か月の生活が全部出るので、生理の様子を見ながら、自分の今の体の状態を知って、自分に合った生活を見付けていってくださいね。
もし生理の前後に何か不調を感じても、それは生理によって体が揺さぶられて出てきている症状なので、慌てないでくださいね。
そして、1か月の生活を振り返って反省しながら、生理が終わって体が落ち着くのを待っていてくださいね。
もちろん、その症状が強くて辛かったら、鍼とお灸で体の回復のお手伝いをしますので、上手に治療を使って頂きたいと思います。
優しい問診と楽しい授業付きでお待ちしています。